Lariveeは1967年に「Jean Larrive(ジャン・ラリビー)」さんがトロントに設立したギターメーカーです。
設立から50年程度と比較的若いブランドとなっています。
現在はカナダの工場を閉鎖しており、2001年に作ったカリフォルニアの工場でギターが製造されています。
Larivee(ラリビー)ギターの特徴について
Lariveeギターの特徴は以下の4つがあります。
- ノンスキャロップブレイジング
- 単板
- シトカ・スプルース材
- 美しい装飾
一つずつ詳しく見ていきましょう。
特徴①:ノンスキャロッスプブレイジング
Larriveeのギターは「ノンスキャロップブレイジング」加工で作られているので、音が直線的になるのが特徴です。
まず「ブレイジング」と「スキャロップ」を理解してからでないと、「ノンスキャロップブレイジング」の説明が分かりにくいと思うのでこちらの2つから見ていきましょう。
ブレイジングとは
「ブレイジング」とは、力木(ちからぎ)とも呼ばれる板の裏に張ってある補強の骨組みのことを言います。
「ブレイジング」の役割は、以下の主に以下の2つです。
- 板が歪まないように補強
- 音の伝達
とくにこの音の伝達がとても重要です。
組み方や制度、張り方次第で音の高さが変わります。
Lariveeの場合は「ブレイジング」を左右対称に配置しているのが特徴です。
スキャロップとは
「スキャロップ」とは、ブレイジングを波状に削る加工のことをいいます。
「スキャロップ」を行う理由は以下の2つです・
- ギターを軽くする
- 音が響きやすくなる
波状に削ることで強度を落とすことなく、軽量化を図ることができます。
「スキャロップ」加工を施したギターは軽い振動でもボディ全体に響く音が出力されます。
特に空間的なサウンドを好むギタリストに好まれるようです。
ノンスキャロップブレイジングとは
「ノンスキャロップブレイジング」とは名前の通りスキャロップしていないギターのことです。
「ノンスキャロップブレイジング」の特徴以下の2つです。
- ギターが重たい
- 音が直線的
ブレイジングを加工していないので、その分ギター自体が重くなります。
音も変化し、直線的な音になります。
「スキャロップ」、「ノンスキャロップ」の音はどちらも素晴らしいものなので、一概に優劣をつけることはできません。
自分の趣味の合う方を選びましょう。
特徴②:単板
Larriveeのギターは単板で作られているので、合板よりも柔軟に音が振動し、優れた音色を出してくれます。
ギターを構成する板は以下の2種類があります。
- 単板
- 合板
それぞれ違いがあるのでその特徴を説明していきます。
単板とは
単板とはその名の通り、一枚の板からできています。
デメリットは価格が高いこと。
メリットは音が合板よりも優れていること。
値段以上に音が違うので、気になる方は一度YouTubeなどで聞いてみてください。
合板とは
合板とはその名の通り、複数(主に3枚)の板からできたものです。
デメリットは音が単板に比べて劣っていること。
メリットは価格が安いこと。
今からギターの練習を始める方などにオススメです。
特徴③:シトカ―・スプルース材
Larriveeのギターは「シトカー・スプリース材」を用いて作られているので、以下の3つの特徴を有しています。
- 軽い
- 柔らかく、強度がある
- 乾燥が容易
「シトカー・スプリース材」を用いたギターは素材特有の弾性力で、音の伝達が効率的になることが知られています。
シトカー・スプリース材とは
「シトカー・スプリース」は主に北米西岸のアラスカからカリフォルニアあたりに自生している常緑針葉樹です。
主な使用用途は以下の6つです。
- 建材
- 建具材
- 家具用の部材
- 楽器材
- 箱材
- パルプ材
特徴④:美しい装飾
Larriveeギターの装飾は「Wendy Larrivee(ウェンディ―・ラリビー)」さんによってなされています。
彼女は「Jean Larrive(ジャン・ラリビー)」さんの奥さんにあたる方で、インイレ作家としても有名な方です。
Larriveeのギターの装飾はどれも人気が高く、評判がとても高いです。
Larriveeギターを使っている主な著名人
Larriveeギターを使っている主な著名人は以下の2名です。
- 桜井 和寿(さくらい かずとし)(Children)
- 中川 イサト(なかがわ いさと)
このように日本でもかなり名前の知られているアーティストにも使われているようです。
Larriveeギターのモデル
Larriveeギターの名前は、「ローマ字」+「番号」+「各ギターの名前」で決められています。
「各ギターの名前」は意味がありませんが、「番号」と「ローマ字」には以下のそれぞれ意味があります。
番号の意味
- 01、02、03、04 = 04がグロストップを備えたすべてのサテンモデル
- 05 =光沢のあるマホガニー
- 07、09、11 =光沢のあるローズウッド。
- 19 =光沢のあるローズウッド。
- 27 = 19と同じですが、カッタウェイバージョンです
- 10 =光沢のあるローズウッド。
- 20 =イーグルインレイとフェザー指板とブリッジウィングインレイを備えたコアギター。
- 28 = 10と同じですが、カッタウェイバージョン
- 30 = LボディとCカッタウェイの両方でクラシックなナイロン弦
- 31、35 =ナイロン弦クラシック
- 38 =ナイロン弦のカッタウェイ
- 40 =非対称ブレースを備えたレガシーシリーズ
- 41 = 12弦「19」バージョン
- 42 = 12弦「10」バージョン
- 45 = 12弦「10」バージョン
- 48 = 12プレゼンテーションモデル。
- 50 =トラディショナルシリーズマホガニー
- 60 =トラディショナルシリーズローズウッド
- 70 =大きなサウンドホール「19」スタイル
- 72 =プレゼンテーションモデル。
- 78 =「72」のカッタウェイバージョン
(wikipediaから引用)
ローマ字の意味
- P-パーラー
- PV-ベネチアンカッタウェイパーラー
- OM-オーケストラモデル
- OMV-ベネチアンカッタウェイOM
- LS-Larrivéeスモールボディ
- LSV-ベネチアンカッタウェイスモールボディ
- L-Larrivéeボディ
- LV-ベネチアンカッタウェイL-body
- C-フィレンツェのカッタウェイ(L-ボディ)
- D-ドレッドノート
- DV-ベネチアンドレッドノート
- J-ジャンボ
- JV-ベネチアンジャンボ
- LJ-Larrivéeジャンボ
- LJV-ベネチアンLJ
(wikipediaから引用)
ちなみにミスチルの桜井さんが所持しているLarriveeのギターが「L-10 MuchaLady Custom」です。
2012年、2013年のポップザウルス2とブラオレツアーで使用されたようです。
中川 イサトさんは「L-28 Seahorse」というモデルを使っていたみたいです。
当時は高級品でなかなか手が届きにくかったLarriveeのギターですが、現在は装飾を施していない廉価モデルも登場しています。
Larriveeギターまとめ
Larriveeギターの特徴やモデルについて紹介してきました。
会社自体が50年以上の歴史があるので、その分ギターのモデルもたくさんあります。
自分のお気に入りの一本を見つけられるかもしれません。
もし今ギターを探している方がいるのならLarrveeも検討してみてください。
値段は少し高くなってしまいますが、その分納得のいくクオリティに仕上がっていると思います。