音楽理論

(音楽初心者向け) 音階ってこういうもの

 

音階(スケール)を学ぼう

 

ピアノなどの楽器演奏において、必ず目にする音階(スケール)。ドレミファソラシドという音の並びであることは分かると思います。

 

しかし、音楽理論上で学ぶ音階は、さらに細かくなっていきます。音階を理論的に学ぶことで、演奏効果も上がり、より音楽の奥深さを知ることができます。

 

さらに、クラシック音楽やポピュラー音楽など、ジャンルの違いで音階も異なります。

 

この記事では、クラシック音楽に用いられる音階を中心に、基本から応用までを解説していきます。

 

音階とは?

 

そもそも音階とは、ある音をオクターブ上まで並べた音列のことです。例えば、ドレミファソラシドの場合、ドから始まり、1オクターブ上のドまでの音列ということです。

 

ドレミ表記が一般的ですが、音楽を専門的に学ぶ方には、アルファベット表記の方が馴染みがあるでしょう。

 

ド(C)レ(D)ミ(E)ファ(F)ソ(G)ラ(A)シ(H)ド(C)

 

ドレミファソラシドは、日本人に馴染みのある読み方ですが、実はイタリア語です。「ハニホヘトイロハ」という読み方が、音階の日本読みになります。

 

もちろん、最初の音は「ド」と決まっているわけではありません。どの音から始まっても、音階は成立します。

 

例えば、ソから始まる音階は「ト長調」や「ト短調」など。

 

全音と半音を学ぼう

 

音階を構成する7つの音の並びには、全音と半音があります。まず、全音と半音を理解することが、音階を学ぶ上で大切になります。

 

例えば、ピアノの鍵盤で、ドレミファソラシドの位置を想像してみてください。

 

すると、1オクターブの中に、白鍵が7つ、黒鍵が5つありますね。

 

隣り合う鍵盤の間に、黒鍵を挟む場合は「全音」、黒鍵がない場合は「半音」です。もう少し専門的に言うと、全音は半音2個分の音程ということになります。

 

この全音と半音の、法則性のある並び方が音階です。

 

音階の種類については、このあとの項目で詳しく解説いたしますね。

 

音階の構成

 

音階を構成する音には、それぞれ名称があり、役割も異なります。

 

ここでは、ドレミファソラシドで説明しますね。

 

ド(第1音):主音。スケールの中でも重要な音に位置づけられます。

レ(第2音):上主音。主音より長2度上にある音。

ミ(第3音):中音。主音と属音の中間にある音。

ファ(第4音):下属音。属音の下にある音で、主音や属音の役割を補助する音。

ソ(第5音):属音。主音から数えて完全5度上の音。主音とともに重要な役割を担う音。

ラ(第6音):下中音。主音と下属音の中間にある音。

シ(第7音):導音。主音に導く役割を担う重要な音。

 

これらの構成音が、全音と半音の関係性を保ち、音階や調性が作られていきます。

 

音階の種類

 

音階には、様々な種類があります。全音と半音の配置によって、音階の名称が決まります。

 

さらに、クラシック音楽やポピュラー音楽、民族音楽など、ジャンルによって多くの音階があるのです。

 

ここでは、クラシック音楽に用いられる代表的な音階の種類をご紹介します。

 

長音階(メジャースケール)

 

長音階は、分かりやすい例で言うと、ピアノなどで音階を聴いた時に明るく感じる音階です。

 

音の進行は、「全音→全音→半音→全音→全音→全音→半音」になります。この並びに、ドレミファソラシドを置き換えてみると、長音階であることが判断できます。

 

一方、ソラシドレミファソを置き換えてみましょう。すると、導音の「ファ」と主音の「ソ」が半音ではないことが分かります。

 

これでは、長音階と判断できないですね。では、どうすればよいのでしょうか?

 

ポイントとなるのは、導音のファ。このファを半音上げる、つまり「ファ#」にすると、長音階になります。調性は、ト長調と判定できますね。

 

このルールに基づいた長音階が、ト長調やニ長調という音階を構成していきます。

 

短音階(マイナースケール)

 

短音階は、主に3種類に分類されます。基本となるのは自然短音階と呼ばれ、導音や音程を変化させた短音階が、和声的短音階・旋律的短音階に分類されます。

 

<h4>自然短音階</h4>

 

短音階の基本形となるのが、自然短音階と呼ばれます。長音階と同じく、全音と半音の並びに法則があります。

 

短音階は、「全音→半音→全音→全音→半音→全音→全音」という進行です。

 

実際に聴いてみると、機械的な雰囲気があり、終止する感じも乏しいことが分かります。

 

和声的短音階

 

和声的短音階とは、導音を作り出すために、7つ目の音を半音上げた短音階です。導音は、主音に戻ろうとする性質がある音なので、より音楽的な短音階といえます。

 

自然短音階に比べて、終止する感じもありますが、旋律としては難しい音程があります。それは、第6音と第7音の増2度で、短音階の滑らかさが乏しくなります。

 

ちなみに、ハノンなどのピアノの音階練習において、この和声的短音階を徹底的に弾いた方も多いと思います。

 

旋律的短音階

 

旋律的短音階とは、上行する際に第6音から第7音の「増2度」を解消するために、第6音も半音上げた短音階のことです。

 

ただし、下行する際は導音が不要になるため、自然短音階の並びに戻ります。

 

和声的短音階よりも滑らかな音階進行となり、メロディーラインが際立ちます。

 

ピアノの音階練習では、和声的短音階と旋律的短音階を連続で弾くと効果があります。入試でピアノ実技がある場合も、和声的短音階と旋律的短音階を続けて弾くことが多いです。

 

全音音階

 

全音音階は、1オクターブが全音のみで構成された音階です。一般的な長音階に比べて、調性が不安定になり、古典派やロマン派には使いづらい音階と言えます。

 

全音音階を使った代表的な作品として、ドビュッシー「ピアノのために」から前奏曲・「映像」から葉づえをわたる鐘があります。

 

全音音階の独特な印象を与える作品が多く、近現代の作風に用いられることが多い音階になっています。

ポピュラー音楽では、ホールトーン・スケールと呼ばれます。

 

半音音階

 

半音音階とは、隣り合う音が全て半音で構成されている音階です。ト長調やニ短調といった調性で表わされることはない音階と言えます。

 

つまり、隣り合う音同士が、半音ということ以外に関係性はなく、独立した音として扱われる音階。

 

半音階進行を使った楽曲として、ドビュッシー・12の練習曲より「半音階のために」やバッハ「半音階的幻想曲とフーガ」があります。

 

△読み方の例

ド#(嬰ハ)レ#(嬰二)ミ♭(変ホ)ファ#(嬰へ)ソ#(嬰ト)ラ#(嬰イ)シ♭(変ロ)

 

音階と音程の違いは?

 

音階と同じく、音楽を学ぶ上で重要な音程。音程とは、全音や半音などの音同士の間隔のことです。

 

音程は、音と音の間の音数によって、2度や3度などと表記されます。つまり、音階が音の並びに対して、音程は、音と音の間隔という違いですね。

 

音階(スケール)を学ぼう・まとめ

 

今回の記事では、音階(スケール)について解説させていただきました。

 

楽曲は、ジャンル問わず様々な音階の上で成り立っています。音階を理論的に学ぶことも大切ですが、実際に楽器演奏や作曲をすることで、音階の構成音や種類を理解することができます。

 

音楽の基本ともいえる音階は、全ての音楽に必要不可欠なのです!

 

最後までご覧いただき、ありがとうございました。

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