音楽理論

音程の数え方とは?

音程とは?

音程とは、2つの音の高さがどのくらい離れているのかという音と音の距離を表す言葉です。

「1オクターブ」「2オクターブ」という言葉を聞いたことがあるかもしれませんが、この「オクターブ」というのも2つの音と音がどのくらい離れているかを指す言葉です。

音程を半音上げたり下げたりするだけで曲調を明るくしたり暗くしたりすることもできます。

また、メロディーや和音にどの距離の音を重ねていくかによって、綺麗なハーモニーになったり不協和音になったりします。歌のメロディーに対して綺麗にハモる旋律を作る場合にはよく3度下の音や6度下の音が使われますし、合唱や吹奏楽・オーケストラなどで複数の音を重ねる場合にも音程は重要な役割を果たします。ホラー映画などでは、あえて音を調和させずに不協和音を作り出すことで不気味な雰囲気や緊張感を演出することもできます。

 

 

音程を数える時の単位は何?

音程は1度・2度・3度...というように「度」という単位を使って数えます。

ドレミファソラシドの音階を例にすると

ド→ド 1度(同音・ユニゾン)

ド→レ 2度

ド→ミ 3度

ド→ファ 4度

ド→ソ 5度

ド→ラ 6度

ド→シ 7度

ド→ド 8度(1オクターブ)

このように最初のド→ドの同音を1度として数え、基準となるドの音から距離が離れるほど2度・3度・4度…と数字が大きくなっていきます。

 

 

音程の種類

音程にはいくつかの種類があります。一般的によく使われるのは「完全○度」や「長○度」「短○度」という音程です。

ドレミファソラシドの音階の間には半音が存在します。ピアノのような鍵盤楽器を思い浮かべていただくとわかりやすいですが、白鍵(白い鍵盤)の間には黒鍵(黒い鍵盤)があり、シャープやフラットなどを使って音を半音だけ上げたり下げたりすることがあります。

ドとレの間にある黒鍵はドのシャープ(レのフラットと同音)と呼ばれ、白鍵のドより半音高い(レより半音低い)音を出すことができます。

黒鍵は白鍵の間に必ずあるわけではなく、黒鍵なしで白鍵が続く場合があるため音と音の距離に半音分の違いが出ます。

この白鍵の間にある黒鍵の数によって、「完全○度」「長○度」「短○度」などと音程の種類や呼び方が変わります。一部の音程では「増○度」「減○度」という表現が使われることもあります。

 

 

完全1度(ユニゾン)

1度の音は同音でまったく同じ音にあたり、ド→ド、レ→レのように同じ音同士を1度と数えます。1度の音程には種類がなく「完全1度」と呼ばれます。

別名「ユニゾン」とも呼ばれ、1人で楽器を演奏する場合はほとんど変化がありませんが2人以上で演奏する場合は音に厚みを出して音色のバリエーションを加えることができます。

音程に0度は存在しないため、すべての音程はこの1度の音を基準として数えていきます。

 

 

2度・短2

2度の音は隣りあっている2つの音です。ド→レ、レ→ミのように、鍵盤楽器で隣の鍵盤(白鍵)に当たる音を指します。

ドとレ、レとミのように間に黒鍵が1つある場合は「長2度」、ミとファ、シとドの間には黒鍵がなく距離が短くなるため「短3度」となります。黒鍵を含めた音と音の間の距離が長いか短いかで「長・短」という区別をします。

 

 

3度・短3

ド→ミ、ファ→ラのように間に黒鍵が2つある場合は「長3度」、レ→ファ、ミ→ソのように間に黒鍵が1つしかない場合は「短3度」になります。

また、3度の音は「和音」を作る時に長調か短調かを決める重要な役割を持っています。長3度の音を使うと長調(メジャー)になり明るいイメージの曲調、短3度の音を使うと短調(マイナー)になり暗いイメージの曲調になります。

「C」というコードで表される「ドミソ」という和音の場合はド→ミの音が長3度の関係になっています。ドミソの「ミ」の音は長3度、ドミ♭ソと「ミ♭」の音をフラッとさせて半音下げて使うと短3度の音程になり曲の雰囲気がガラッと変わります。

ドミソ・レファラ・ミソシなどのように音を3度ずつ重ねることで、曲の基本となるコードを作ることもできます。

 

 

完全4度・増4

ド→ファの4度の音の関係には前述した2度・3度のような長短の区別はなく、「完全4度」という言い方で表します。ただし、ファ→シの4度の場合のみ「増4度」となります。ド→ファ、レ→ソなどの音の間には黒鍵が2つ入りますが、ファ→シの音の間には黒鍵が3つ入るため音が半音分多く入ることになります。そのためファ→シの音程は「増4度」と呼ばれます。

 

 

完全5度・減5

ド→ソの5度の音程も、4度の場合と同じように「完全5度」と表します。5度の場合は音と音の間に黒鍵が3つ入りますが、シ→ファの音と音の間には黒鍵が2つしか入りません。黒鍵1つ分の音が少なくなるためシ→ファは「減5度」と呼ばれます。

4度や5度の場合は長短の区別ではなく、完全か増減しているかという区別になります。

 

 

6度・短6

6度も2度や3度と同じように長短で音程を数えます。

ド→ラ、レ→シの音のように間に黒鍵が4つ入る場合は「長6度」、ミ→ド、ラ→ファ、シ→ソのように間に黒鍵が3つしか入らない場合は「短6度」となります。

 

 

7度・短7

7度も2度・3度・6度の音程と同じように長短を使って音を数えます。

ド→シ、ファ→ミの場合は2つの音の間に黒鍵が5つ入るため「長7度」、それ以外の7度の音程は間に入る黒鍵が4つなので「短7度」になります。

また、ギターなどでコードを弾く時に「G7」や「D7」など「7」の数字がついたコードを見たことがある方もいらっしゃると思います。曲を盛り上げたい時や転調する時などに効果的に使われることも多く、7度は特にコードとして重要な役割を持つ音程です。

 

 

完全8度(1オクターブ)

8度の音は1オクターブとも言われ、ドレミファソラシドの「最初のド」と「最後のド」の音の関係です。

音自体は同じ「ド」の音で、高さが一段階上がった(下がった)音になります。

同音で高さが違うだけなので1度と同じように「完全8度」となり、長短や増減の区別はありません。

 

 

8度(1オクターブ)以上の音程の数え方

8度を超える音程の場合は、そのまま9度・10度…と数字を増やして数える方法と、7を引いて2度・3度…と数える方法があります。7を引く場合は、9度ー7=2度、10度ー7=3度と数えます。ドの音を基準とした場合、2度の音はレ、9度の音もレになるので音自体は同じになります。

音程の数え方について明確な決まりはなく例外もありますが、クラシック音楽の場合は7を引いて1~8度の間で音程を数えることが多く、ジャズなどコードを基本として演奏する音楽の場合はそのまま9度・10度…と数えることが比較的多いです。

 

 

まとめ

・音程とは、2つの音の距離を表すものである。

・数える時には「度」という単位を使用する。

・音と音の距離によって、完全・長短・増減などの種類がある。

・1オクターブを超える場合は7を引いて数えることもある。

音程を数えられるようになるとバンドやセッションなどで一緒に演奏する相手とのコミュニケーションがとてもスムーズになります。特に管楽器などは基準になる音が違う場合があるため、ドレミで音の名前を伝えるよりも○度の音という伝え方をした方がわかりやすいことも多いです。

今回の記事ではドレミファソラシドの音階を基準に説明しましたが、転調した場合も度数の数え方は変わらずシャープやフラットがたくさんついているような曲でも同じように数えます。

音程の数え方は一度覚えてしまえば楽器や音楽ジャンルを問わずに様々な演奏の場面で役立ちます。

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