「グレッチのギター」と聞いて一番に思い出すのはこの見た目だと思います。
ほかのメーカーのエレキギターとは全く違う雰囲気でとてもオシャレですよね。
いくら見た目が良いからといって、初心者の方がすぐに買える様な価格ではないと思います。
そこで今回は見た目だけじゃない!グレッチのギターの特徴やその魅力を存分にご紹介したいと思います。
目次
グレッチギターの歴史
1883年にフレデリック・グレッチによってブルックリンで創業されました。
当初はタンブリンやドラムなどを扱っていましたが、1940年代ごろからエレキギターを作り始めたと言われています。
1950年代中頃には「世界一美しいエレキギター」と言われる「ホワイトファルコン」が大ヒットとなり、グレッチは全盛期を迎えることとなりましたが、1960年代後半に入ると、ギブソンやフェンダーがエレキギター界のトップを争うようになり、グレッチは次第に勢力を失っていきました。
しかし1980年代に入ると、ストレイ・キャッツのブライアン・セッツァーがグレッチのエレキギターを使用し、グレッチは瞬く間に勢いを取り戻しました。
このころから現在も尚、多くのモデルが日本で製造されています。
カントリーやロカビリー、ロックンロールといったジャンルで使用されることが多かったグレッチのエレキギターですが、近年ではパンクでも使われ始めています。
グレッチギターの特徴
エレキギターといってもメーカーやモデルによって特徴は様々です。
そこでここからは初心者の方に知っていてほしいグレッチギターの特徴を紹介します。
グレッチのギターは音が特徴的!
「エレキギターの音を思い浮かべてください。」と言われたときに、たぶんほとんどの方がギブソンやフェンダー社のエレキギターの音を思い浮かべるのではないかと思います。
対してグレッチのエレキギターは聞いただけで「グレッチのギターだ!」とわかるくらい特徴的な音をしています。
それ故バンドとしてアンサンブルがしにくかったり、エフェクターを使用してもグレッチ色が抜けないなどの強烈な個性があります。
しかしそれがグレッチの最大の魅力で、長年多くのギタリストを魅了してきた部分なのです。
海外のギタリストでいえば、ジョージ・ハリスン(ビートルズ)やブライアン・セッツァー、マルコム・ヤング(AC/DC)ジョー・ウォルシュ(イーグルス)。
日本のギタリストだと浅井健一さん(元ミッシェルガンエレファント)、チバユウスケさん(The Birthday)、横山健さん(元ハイ・スタンダード)などなど…
ビックネームなギタリストの方々もこのグレッチのギターを愛用しているのです。
他のメーカーとは違う。グレッチがこだわり続けた「ホロウボディ」
エレキギターはその構造によって「ホロウボディ」と「ソリッドボディ」の大きく二つに分けられます。
ギター本体に空洞がある物を「ホロウボディ」。空洞がない物を「ソリッドボディ」といいます。
フェンダー社がソリッドギターのテレキャスターを発明し、続いてギブソン社がレスポールを発明しソリッドボディ市場を盛り上げていく中、グレッチは頑なにソリッドボディのギターを作ろうとはしませんでした。
それほどグレッチはギター作りにおいて「ホロウボディ」にこだわってきました。
グレッチのギターのほとんどに空洞が設けてあります。です。程よい低音、軽やかなエアー感のある音が特徴です。独特のこの響きを「グレッチギターの音」と認識している方もいるくらい「ホロウボディ=グレッチ」という方程式が浸透しているのではないでしょうか。
ただしこの「ホロウボディ」のデメリットとしては
・ハウリングが起きやすい。
・エフェクターとの相性が悪い。
などがあります。
そのためアンプに直接繋いで演奏したり、エフェクターを使うにしてもそれに近いクリーン/クランチなどといったセッティングで演奏するギタリストが多いです。
なんといってもこの見た目!かっこいいボディ!
ここまでグレッチのエレキギターの音の特徴やこだわりについて紹介してきましたが、やっぱり一番目を引くのはこのボディではないでしょうか。
レトロ感漂うかっこいいボディ。色のバリエーションも年代を感じるような温かみのあるカラーバリエーションになっています。
ボディの形も丸みを帯びていて、他のメーカーのギターと比較しても断トツで大人なセクシーさを感じます。
初心者にオススメ!グレッチのギター2選
グレッチはエレキギター界の高級ブランドです。
ステージに立って演奏しているギタリストが使用しているグレッチのギターは、趣味程度ではなかなか手出しがしづらい金額です。
しかし中には比較的お求めやすい廉価モデルも出ています。廉価モデルといえど、こちらもクオリティーが高く、評判も良いため初めてグレッチのギターを手にする方にはオススメです。
エレクトロマチック(electromatic)シリーズ
ハイグレードのモデルにそっくりなボディのエレクトロマチックシリーズは、「エレマチ」と呼ばれ日本でもとても親しまれています。
アジアの工場で作られており、グレッチのギターでありながら価格を抑えて手にすることが出来ます!
エレクトロマチックシリーズのギターには
・ギター本体に大きな空洞がある「ホロウボディ」
・ギター本体に小さな穴がいくつもある「ジェット」
の主に2つのシリーズがあります。
ホロウボディシリーズは基本的に10万円以上です。
しかしグレッチのこだわりのホロウボディが絶対にいい!という方にはクオリティーも十分いいですし、ホロウボディの中では安く手に入れられますのでオススメです!
対してジェットシリーズは10万円いかないくらいで、ホロウボディに比べるとグッと価格も抑えられますので初心者の方でも手が出しやすいギターではないかと思います。
こちらもクオリティーは高いのでオススメです。
ストリームライナー(streamliner)シリーズ
2016年に発表されたこちらの「ストリームライナーシリーズ」は、今までのグレッチギターの弱点と言われてきた歪みにも対応できる新開発のピックアップが使われております。
こちらもエレクトロマチックシリーズと同様アジアの工場で製造されており、価格を抑えつつもグレッチらしいレトロな見た目、新開発の技術を盛り込んだエレキギターを手にすることが出来ます。
ストリームライナーシリーズの中の「Streamliner Junior Jet Club」には初心者セットもあります。
グレッチらしいフォルムのソリッドボディのギターとアンプやシールド、ケース、ピック、スタンドなど初めてギターを始めるにおススメのセットになっていますので、こちらもチェックしてみてはいかかがでしょうか。
まとめ
グレッチのエレキギターは癖があるギターのため初心者が初めて手にするギターとしてはなかなか勇気がいるかもしれません。
ハウリングしやすい所など、他のメーカーのエレキギターと比べると扱いづらいかもしれませんが、その不器用さは人間らしいとも捉えられているようです。
グレッチのギターは向きあえば向きあうほどいい音色を生み出してくれ、いつしかあなたはグレッチのその音色に虜になってしまうかもしれません。
「気になっているけれど金額が…」と悩んでいる方は廉価モデルからでもグレッチの魅力は十分伝わるはずです。
あなたの音楽ライフにスパイスを与えてくれるようなグレッチのギターです。
ぜひお気に入りの一本を見つけてみてください!