
どういうプレイが向いてるの?
そんな方のためにこの記事では、エクスプローラータイプのギターのことを書いていきます。
目次
エクスプローラータイプのギターとは
現在までに数多くのギターが世にでていますが、エクスプローラータイプのギターをご存知でしょうか?
ギターと言えばギブソン社のレスポールやフェンダー社のストラトキャスターなど、楽器を弾かない人でも一度は聞いたことがあるかもしれません。
しかし、エクスプローラータイプのギターと言われたら想像できる人は多くはないと思います。
エクスプローラーの発祥は、1958年にFutura(フューチュラ)という名称でギブソン社から発売されました。
同時期にフライングVというギターも発売されていますが、共に当時としては斬新すぎるデザインで人気は出ずに生産中止となります。
その後、1970年代にエクスプローラーのコピーモデルが他社から販売され、ハードロックやへヴィメタルのアーティストを中心に認知されていきました。
コピーモデルの人気上昇に伴い、1976年ギブソン社は再びエクスプローラーの発売を開始し、現在に至るまでに多くの素晴らしいギタリストに使用されています。
ちなみに「エクスプローラー」はギブソン社の商標登録で、その他のメーカーから発売されているものは「エクスプローラータイプ」のギターとなるようです。
今ではロックを象徴するギターの1つとも言えるエクスプローラータイプのギターですが、より深く知るためいろんな角度で調べていきたいと思います。
特徴
約60年近くの歴史があるエクスプローラータイプのギターですが、形状や仕様、音質の特徴など詳しく見ていきたいと思います。
形状
エクスプローラータイプのギターと言えばやはりその形状で、フライングVと同じように変形ギター代表の1つとなります。
表現としてはレスポールを斜めに引き延ばしたような形とも言われ、右ひじの当たる部分が突出したボディ面積が大きいギターです。
また、ギターのヘッド部分は「バナナヘッド」と呼ばれる形状となっています。
仕様
ピックアップ(弦の振動を音に変換するマイクのような部分)はハムバッカー(シングルコイル二つを一つにした構造のもの)を2基搭載しています。
次に弦を調整するペグは、通常のギターであれば3つずつ左右に分かれていますが、エクスプローラータイプのギターは片側6連仕様です。
そして、弦を固定するブリッジ側はTOM(チューンオーマチック)ブリッジと言われ、レスポールと同じタイプになっています。
あと、ボリューム調整のツマミが2つとトーン調整のツマミが1つあり、また、ピックアップを切り替えるセレクタースイッチが1弦側のボディ先端についているのが基本です。
音質
ピックアップによって違ってくるとは思いますが、基本的には中低音に厚みがあるパワフルな音になっています。
音の出方としてはストレートで、ディストーションで歪ませた時に音が埋もれないなどの意見もあるようです。
参考として有名ミュージシャンの奥田民生さん曰く、レスポールに比べ上と下の音域がないが演奏やバンドには馴染み、オススメのギターと仰っていました。
以上がエクスプローラータイプのギターの主な特徴とはなりますが、これらを踏まえた上でメリット・デメリットなどを調べていきたいと思います。
メリット
それではエクスプローラータイプのギターのメリットについて、どのようなものがあるか調べていきたいと思います。
まずはその形状からステージ上で栄えることは言うまでもないと思います。
また、変形ギターとは呼ばれるものの、立って弾く時はバランスが良くヘッド落ちしないことや、座って弾く場合でも弾きやすいという意見は多いです。
次に、コードストロークなどの大きく動かすプレイでも、セレクタースイッチが先端についているため誤って触れることがほとんどありません。
あと、ネックとボディの接続位置が他のギターと比べても違います。
レスポールやストラトキャスターなどは17フレット辺りで接続されていますが、エクスプローラータイプのギターは20フレット辺りで接続されています。
そのため、ボディ近くのハイポジションにおいてプレイがしやすいことも挙げられます。
以上の事から、エクスプローラータイプのギターは演奏面でのメリットが非常に多いようです。
デメリット
では、エクスプローラータイプのギターのデメリットを見ていきましょう。
先程、メリットとしてセレクタースイッチに誤って触れることがないと挙げました。
ですが、実は立って演奏する場合にギターがあまりに低い位置だと、セレクタースイッチに手が届かない可能性がでてきます。
そのため、適切なギターの位置を把握することが必要です。
次に、何度も繰り返す通りギターの形状が特殊なため、一般的なソフトケースなどには収まりません。
専用のハードケースやギグバッグなどが必要になり、なかなか手頃な価格帯の物はないようです。
また、斜めに張り出している形状のため壁に立てにくかったり、ギタースタンドも多少は選ぶ必要があるのも気を付ける点として挙げられます。
あとは、思ったよりボディ面積も広いので、部屋の中などで弾いている時に熱中しすぎて色んな所にぶつけないようにもしたいです。
持ち運びや保管の点で少し気を付けるべき事はあるので、その点も含めエクスプローラータイプのギターを所有する際は少し考える必要があります。
弾いているギタリスト
では、ここまで特徴・メリット・デメリットを紹介してきましたが、そんなエクスプローラータイプのギターを使用してきたギタリストたちを5人紹介していきたいと思います。
エリック・クラプトン
まずは、意外かも知れませんがエリック・クラプトンが挙げられます。
ストラトキャスターの印象が強いクラプトンですが、1974年の日本武道館の初来日コンサートでギブソンのエクスプローラーを使用しています。
また、その時に使用したエクスプローラーは、右ひじが当たるボディの一部カットした特注品で通称「エルボーカットエクスプローラー」と呼ばれています。
エドワード・ヴァン・ヘイレン
アメリカのハードロック/へヴィメタルの先駆者であるヴァン・ヘイレンのギタリスト、エドワード・ヴァン・ヘイレンも挙げたいと思います。
エクスプローラーのコピーモデルで、アイバニーズ社からでたデストロイヤーというギターがあります。
そのデストロイヤーをエディ風に改造したギターが通称「シャーク」と呼ばれるギターです。
「You Really Got Me」のPVやジャケ写、初期のレコーディングなどで使用されていたようです。
ジェームズ・ヘッドフィールド
エクスプローラータイプのギターを使用している有名なギタリストとして、メタリカのジェームズ・ヘッドフィールドの名は外せません。
多くのギターを所持しておられますが、初期の頃はギブソン社のエクスプローラーやESP社製のエクスプローラータイプのギターを使用しています。
また、近年ではESP社から販売されたエクスプローラータイプのシグネチャーモデル「スネークバイト」も、メタリカのサウンドを支えるギターの1つとなっているようです。
ジ・エッジ
世界的ロックバンドU2のギタリストでもあるジ・エッジもエクスプローラーを使用している代表的な一人です。
1976年製のギブソン社のエクスプローラーを使用していて、ジ・エッジを象徴するギターとしても認知されています。
18歳の時にニューヨークの楽器店で一目惚れをし、初めて購入したギターがエクスプローラーのようです。
デイブ・グロール
最後にモンスターバンドであるフー・ファイターズのデイブ・グロールを紹介したいと思います。
1995年にフー・ファイターズのデビューアルバムをリリース時、黒のエクスプローラーをメイン機として初期の頃からライブでよく使用されています。
また、1999年のアルバム「There Is Nothing Left To Lose」のリリース辺りから、白のエクスプローラーもライブで使用するようになったようです。
以上5人挙げさせて頂きましたが、他にもエクスプローラータイプのギターを使用している素晴らしいギタリストはまだまだおられます。
興味ある方はYouTubeなどでライブ映像を探してみてください!
まとめ
今回、エクスプローラータイプのギターについて紹介させて頂きましたが、ギターというのは改めて奥が深いなと思います。
ギターを愛する多くの人達に支えられ、今日まで歴史を刻んできていることを実感しました。
また、数あるギターの中からどれを手にするかによって、楽曲制作やライブパフォーマンス、その後の人生まで変わってくるようにも感じます。
エクスプローラータイプのギターは今後もミュージシャンから愛されていくでしょうし、新しい音楽を生み出すキッカケの1つになっていくのではないかと思いました。
今回は以上となります。
ここまでご覧頂きありがとうございました!