ゴダンギターはカナダで作られているギターブランドです。
1988年にロベールゴダン氏が開発した今までにない新発想のコンセプトによる独創的な新世代ギターとして有名です。
ゴダン公式サイト
https://godinjapan.com/index.html
目次
【ゴダンのコンセプトとは】
【ゴダンのエレガットについて】
・ゴダンのエレガットのボディ
・ゴダンのエレガットのピックアップ
・ゴダンのエレガットの演奏性
・ゴダンのエレガットとギターシンセ
【ゴダンのエレキギターについて】
・Session HT
・5th avenue
【まとめ】
目次
ゴダンのコンセプトとは
ゴダンのコンセプトは以下の3つです。
1.ライブでの使用を前提に企画設計
2.リアルなアコースティックサウンドをプロデュース
3.他の楽器からの持ち替えでも違和感のない演奏性
ライブで使う事を前提とする設計とは、アコースティックギターやクラシックギターをライブで使用する際に一番の問題となるハウリングを抑えるためにサウンドホールのないフラットな表面とダブルチェンバーボディを使用しています。
リアルなアコースティックサウンドをプロデュースするため、こちらもダブルチェンバーボディを開発、またL.R.Baggsと共同開発したオリジナルのピックアップにより、ボディサイズからは想像もできない生音を出力することに成功しています。
そしてエレキギターからの持ち変えをしやすいようにボディを薄くし、ナット幅も通常のクラシックギターよりも狭くし、違和感をなくすことに成功しています。
ゴダンのエレガットについて
ここではそんなゴダンのギターの中で最も人気のある、ゴダンの代名詞ともいえるエレガットについて説明していきます。
その前にギターの種類と呼び方について簡単にまとめてみました。
アコースティックギターに
ピックアップマイクがついたものを「エレアコ」
クラシックギター・ガットギターに
ピックアップがついたものを「エレガット」と呼びます。
そしてゴダンのギターといえば!というモデルがエレガットギターです。
プロのミュージシャンの方たちも「エレガットを買うならゴダン一択」という方が多いようです。
ゴダンのラインアップでも
Multiac Nylon
Multiac Nylon Deluxe
Multiac Nylon Encore
グランドコンサート
ACS
ACS Slimがありますが
ここではMultiac Nylon を中心に説明していきます。
Multiac Nylon はゴダンで1994年に発表された最も有名なモデルです。
見た目はクラシックギターやエレガットには見えません。
落ち着いた色とデザインのエレキギターと言っても通じるように思います。
通常エレアコにあるサウンドホールはなく、フラットな表板になっています。ボディの厚みも普通のクラシックギターと比べると半分ぐらいの厚さとなっています。
向かって左上の位置にボリュームやEQのコントロールつまみがあり、ネックはやや幅広でナイロン弦が張ってあります。
ヘッドやペグもクラシックギターに特徴的なスロッティッドが採用されています。
簡単な仕様です
表板 ソリッドスプルース
ボディ マホガニー(ダブルチェンバー)
ネック マホガニー
指板 リッチライト 16インチR
スケール 648mm,22frets
ナット幅 48.26mm
ブリッジ リッチライト
ピックアップ Custom RMC Piezo
ゴダンのエレガットのボディ
スプルースは多くのアコースティックギターの表板にも使われている木材です。やや硬質なはっきりとした輪郭のある音が特徴です。
マホガニーは中域の豊かな温かい音が出る木材です。
リッチライトは最近ギターにも用いられることが多い人口樹脂です。
エボニーに似たサウンドが得られると言われています。
ダブルチェンバー構造のボディはゴダンオリジナルのもので、マホガニーボディをくり抜き、その上にスプルースの表板をかぶせるような形になっています。
サウンドホールはギターの真ん中ではなくボディ左上、プレイヤーに最も近い位置のEQつまみの周りの溝を空気孔とすることで、外からの音がボディ内に入りにくく、外部音に影響されることなく、よりギターの純粋な音が出るようになっています。外部からの音がギター内に入り込むフィードバックを限りなく最小限にとどめることで、ハウリングを極力なくし、ギター本来のサウンドをフルに出力できるようになっています。
ダブルチェンバーボディはACSモデルを除くすべてのモデルに採用されており、ゴダンギターの代名詞にもなっています。
ゴダンのエレガットのピックアップ
そしてギターの音を電気信号に変えて出力するピックアップですが、こちらもゴダンが有名ピックアップメーカーのL.R.Baggsと共同開発したピックアップが使われています。
通常のピエゾタイプのピックアップはギターのサドルの下に薄い板状のピエゾ素子を埋め込んで使用します。通常はこれで十分なのですが、ゴダンで採用しているピエゾピックアップは、6弦の各弦の独立した設計になっています。それによりそれぞれの弦の振動が互いに干渉することなく、クリアに出力することができます。
また弦1本ごとに信号を受け取る仕組みになっているため、音の立ち上がりやクリアさが際立つサウンドになっています。
このオリジナルのボディ形状と、ピックアップにより、見た目からは想像のできない豊かなサウンドがアンプから出力されることとなります。
通常のエレアコやエレガットの演奏では
まずいい音のするギターがあり、その音をいかに忠実にスピーカーから出すかという考え方なのに対し、
ゴダンのエレガットは、スピーカーから出る理想の音から逆算してピックアップやボディ形状などを作り上げていったのではないかと思われます。
これもコンセプトの「ライブでの使用を前提に企画設計」ということなのでしょう。
ゴダンのエレガットの演奏性
ナイロン弦ですのでクラシックギターとして演奏されることが多いと思いますが、ナット幅は約48ミリと、一般的なアコースティックギター(約44ミリ)とクラシックギター(約50ミリ)の中間の幅を採用しています。
これは指弾きの多いクラシックギターの演奏に限りなく近づけながら、アコースティックギターやエレキギターから持ち替えた時になるべく弾きづらさを感じないようなナット幅になっています。
よりクラシックギターに近い演奏をしたいという人にはナット幅、約50ミリ、ボディもやや厚めのグランドコンサートというモデルが用意されています。
逆によりエレキギターに近いサイズ感を求める方にはACS Slimという空洞のないソリッドタイプのボディのエレガットも用意されています。
ナット幅は約43ミリとギブソンのエレキギターとほぼ同じ幅となっています。
ジョイントは通常のガットギターは12フレットジョイントなのに対し、ゴダンは15フレットジョイントでさらにカッタウェイもあるので、22フレットフルに使え、エレキギターとほぼ同じプレイが可能です。
ゴダンのエレガットとギターシンセ
そしてゴダンのギターのもう一つ大きな特徴としては、ローランドのギターシンセサイザーに対応しているという点です。
現行ののGR‐55はもちろん、過去のローランドギターシンセに直接接続できる13ピンのアウトプットを持っており、ギターシンセに付属しているGKケーブルを直接ギターにさすことで、すぐにギターシンセをコントロールすることができます。
これによりギターサウンドに加え、パッドやブラス、シンセリードといったシンセサウンドとギターの音をミックスしたサウンドを楽しむことができます。
ゴダンオリジナルの6弦独立のピエゾピックアップシステムはギターシンセ使用時にもその力を発揮し、ギターの音をシンセ用の信号として感知する能力も非常に優れています。
そのタイムラグもほとんど感じずにプレイに集中することができます。
このGRアウトはゴダンのエレキギターモデル、LGXTやxtSAにも搭載されています。
ゴダンのエレキギターとは
ゴダンのラインナップにはエレキギターも存在します。
最もスタンダードなモデルであるSessionを紹介します。
ボディ形状はフェンダーのストラトキャスターに近いですが、やや小ぶりなサイズになっています。
ボディ材はACSにも使われているシルバーリーフメイプルを使用。
硬質なきらびやかな音が特徴です。
ピックアップはこちらもゴダンオリジナルのピックアップによるSSH配列を採用。
シングルコイルからハムバッカーまで幅広いジャンルに対応可能です。
またコイルタップを使用するとリアのハムバッカーをシングルコイルに切り替えることもできます。
そして何よりこのクオリティで定価が11万円というのがポイントです。
楽器屋さんでも多分10万円以内、安いところでは8万円程度で購入できる場合もあるのではと思います。
5th avenueシリーズと名付けられたフルアコモデルはゴダンお得意の木材加工技術とオリジナルピックアップを組み合わせ、1950年代の古き良きサウンドを復刻させたモデルです。
Multiac Steelはダブルチェンバーボディのスチール弦モデルです。
エレキギター用のピックアップが搭載されているのが特徴です。
フロントに搭載されたマグネチックピックアップとブリッジ下のピエゾピックアップ、そして表板の振動を余さず拾うマイクシステムの3つのピックアップのサウンドをミックスすることで、さまざまな表情のサウンドを得ることができます。
ある意味究極のギターと言えるのではないでしょうか。
まとめ
今回はゴダンのギターについて調べてみました。
エレガットに興味がある方は、ぜひ検討する候補に入れてください。
また他にもいろいろユニークなギターがありますので、そちらもギター選びの参考にしていただけると幸いです。
ありがとうございました。